カウンセリングとは

話して、こころを整理する。

カウンセリングとは、1対1でじっくり「話す」ことを通じて、こころや悩みを整理していく営みです。

 

話すことでの発散、対話を通じての発見、専門家からの助言の3つの面からの効果を見込みます。

 

短期で大丈夫な場合、長期の関わりが望まれる場合の双方あり、相談しつつ枠組みを決めていきます。

もくじ

 

カウンセリングとは

1対1の話し合いで考えや悩みを整理して、こころの安定などをはかる方法です。

カウンセリングとは、心理士などの専門家と、一定時間、一定間隔で繰り返し話し合いを行うことを通じて、こころの内面や考えのくせ等を理解したうえで整理していく方法です。たとえば、2週に1回、1回50分、1年(計24回)などで行っていきます。

細かくは心理士の個性などにより差がありますが、共通して目指す効果は、以下の「話す」「気づく」「アドバイス」の3つになります。

①話す

悩みや苦しみがあった時、ためこんでしまうとストレス状態が続き、その結果こころや体の不調になる事も少なくありません。そうした悩み・葛藤を実際に話すことで、それ自体一種の解放感(カタルシス効果)を持つことが期待できます。一方で家族問題やこころの病のことなど、なかなか他者に相談しにくい場合もあるでしょう。そうしたときに、第三者である「こころの専門家」に相談することが、対策となるかと思われます。特に言いにくいことや混乱しやすいことに関して、「話を聞くこと」の専門家である心理士が、それを「引き出す」ことができれば、より大きな効果が期待できます。

②気づく

一人で考えていると、どうしても堂々巡りになり、答えが出ないことがあります。こうしたときに、実際に話すことで、内面の悩みを言葉を通じて「外在化」し、客観的に見ることができるでしょう。その結果、一人で悩んでいた時は見えなかった解決法や別の見方に、ふと「気づく」ことがあります。その際に、心理士は文脈などから、「気づき」を促すような問いかけをしていくため、一般会話よりも「気づき」に至るヒントが見つかりやすくなるでしょう。

③アドバイス

「話す」「気づく」ことを通じて問題の解決やこころの改善が起こることも多い一方で、それだけではなかなか解決や改善に結びつきにくい場合もあります。そうした場合に心理士から、押しつけにならない形での「アドバイス」を提供します。それが「気づき」のヒントになる場合もあれば、カウンセリング後の生活の取り組みにつながる場合もあるでしょう。

以前からのカウンセリング(支持的精神療法)では「話す」「気づく」に、近年の認知行動療法では「アドバイス」に重点が置かれる面がありますが、これは状況により両立、使い分けが可能なものと考えます。受けられる方の個性や状況等に応じて、重点を置く部分を調整しつつ、援助させていただければと思います。

カウンセリングの2つの技法

「聞く」重視の支持的精神療法と、「助言」重視の認知行動療法があります。

カウンセリングには、様々な技法がありますが、当施設では「より標準的な形でのカウンセリングの提供」を目指しています。その視点から見ると、以下の2つの技法を、その人に合った形でバランス調整しつつ行うことになると思われます。

 

①支持的精神療法(聞く技法)

「話をしっかり聞く」タイプのカウンセリングの技法です。ここでいう「聞く」はただ機械的に聞くことではなく、より積極的に聞く(「傾聴」といいます)こと、および相槌(あいづち)などの技法を活用して、より積極的に悩みなどの話を「引き出す」ことも含まれます。

 

②認知行動療法(助言の技法)

「こころの不調」と、「考え(認知)」や「行動」のくせが連動することを踏まえて、より調整しやすい「考え(認知)」や「行動」を見直し調整することを通じて、二次的に、「こころの不調」の改善を図る方法です。そのため、この技法では、「考え(認知)」や「行動」に関しての助言が、治療の主体になります。

この2つは、どちらかに偏りすぎるとよくないと考えます。「聞く」ことに偏りすぎれば、「聞いてもらうだけで役に立つ助言が得られなかった」となりますし、「助言」に偏りすぎれば、「説教ばかりされて、話を聞いてもらえなかった」となります。

当ルームでは、この2つの技法を、話す方のニーズに合わせ、調整してカウンセリングを行います。たとえばストレスが多く「話したい」方には「聞く」を重視し、考えの癖など「積極的にアドバイスが欲しい」方には「助言」を重視して進めてまいります。

想定される3つの経過

症状や、お悩みの種類などにより、望まれる期間が変わってきます。

当ルームでは、カウンセリングは1回50分で行っていきます。期間に関しては状況等で変化しますが、大まかに、次の3つが想定されます。

①1回のみの場合

「その場での悩み」の場合、一回、しっかり話すことで、だいぶ整理がつき、方向性が見えてくることがあります。その場合は必ずしも継続の必要性はなく、1回で終了になる事があります。

②短期間(10回前後など)の場合

不安や考えのくせなど「今ある悩み」への介入の場合は、10-20回ほどカウンセリングを続けることで方向性が見つかったり症状が改善するなどして、終了になる場合があります。

③長期間が望まれる場合

過去の体験に由来する深いこころの悩みなどが扱われる場合は、じっくり話し合いを続けていくことが必要なことが少なくありません。その場合は、必要な期間は長くなることが多いです。

当ルームでは、初回のカウンセリングにて、大まかにどのくらいの期間が必要と思われるか、なるべく伝えることを目指しています。そのうえで、お互い合意の上、しっかりとカウンセリングを続けていければと思います。

こんな悩みの時ご相談ください

外との関係、ご自身の悩みなどに対応します。

こころの不調と関連が予想される様々な悩みに対応してまいります。たとえば、以下のようなお悩みの場合、ご相談ください。

①外との関係での悩み

②自分自身についての悩み

対応が難しい場合

病状が悪い時、法的問題など、別の機関が望ましいことがあります。

カウンセリングでは幅広いお悩みに対応できますが、一方で、カウンセリングに適さない状態、専門性の面で対応が難しい場合があります。具体的には、以下のような場合の対応は、困難です。

①状態が不安定の場合

「会話を続けるのが症状のため難しい場合」「差し迫った混乱がある場合」などは、カウンセリングはかえって不安定をまねくおそれがあり、医療機関(心療内科・精神科)での対応が必要になります。

②別分野の専門的な助言が重要な場合

たとえば離婚問題での法的な相談など、別分野(法律など)の専門家の相談が適応になる場合があります。その場合は、その分野の専門家へのご相談をお勧めいたします。

③専門性の高い方法をお求めの場合

当ルームは「標準的なカウンセリング」を提供しています。そのため、より専門的な方法(精神分析、催眠療法、EMDR、ドラマ療法等)の提供は行えません。その場合は、その治療を標榜している施設へのご相談をお願いします。

④カウンセリングとの相性がよくない場合等

カウンセリングは、こころの状態改善の一つの方法ですが、すぐ効く特効薬ではありませんし、人により効果の相性もあります。この点は、一度受けられると(初回面接)、良くも悪くもカウンセリングがどんなもので、ご自身との相性はどうか見えてくると思われます。そのうえで、継続すべきか、ご相談できればと思います。

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監修者:春日 雄一郎(精神科医、臨床心理士、医療法人社団Heart Station 理事長)